ガッツリ!不動産

一級建築士、元分譲マンションデベロッパー企画開発が語る不動産で失敗しない為の歩き方

【3.新築戸建ての間取りについて】

3-1.分譲マンションでは不要であるが、新築戸建ての必須条件について 



f:id:mahonokotoba:20210313231313j:plain分譲マンションと違って「売れる戸建て」つまり転売時にも値下がりしない戸建ては、押さえておかなければならない必須条件があります。

それは、「自然換気」と「回遊性」です。

「自然換気」は文字通り、機械に頼らない換気方式です。

勿論、戸建てにもトイレや浴室に第三種換気方式「吸い込む方式の換気設備」は設置されていますが、それを使わなくても常に換気ができる方法が採用されています。マンションの絶対条件ではない戸建ての優位性の一つです。

よって戸建て住宅の水回り設備部分には「窓」が設置されています。

 

 

 

f:id:mahonokotoba:20210313231320j:plain当然トイレは2つ。2階にも設置されています。偶に奇をてらって2階に風呂場が設置されている戸建ての間取りを見かけますが、NGです。

こういう物件は購入しない方が良いと思われます。理由は万人受けしないからです。

つまり、転売が困難になるからです。但し、例外があります。

建築家に設計してもらった住宅の場合です。

単なる自分から建築家と名乗る輩は論外ですが、これぞ建築家が建てた住宅である場合で風呂場が2Fにある場合は、必ずその理由があります。

「デザインが面白いは論外!」例えば、坂道の側に建っている場合は半地下形式になっていて、2Fが風呂場なっているが、但し道路とは平面で繋がっているとか、2Fに風呂場を設置する事でそこから見える景色が素晴らしいものになるなど、必ずこれしか考えられないアイデアが存在するのです。

そこまで考え抜かれてない間取りであれば、防水的にも危険な水回り設備をあえて2Fに設置する意味はないという事です。

ましてや普通の戸建て業者が分譲している物件では、手をださない方が無難と思われます。

次に「回遊性」です。

簡単に言うと1F部分において、1箇所ぐるぐる回れる動線が確保されているという事です。

この「回遊性」がある間取りと無い間取りでは、デットスペースになる回遊性がない間取りの方が効率的な造りをしています。

しかし、我々人間は「終の棲家」に安らぎや癒やしを求めているはずです。

何でもかんでも効率的が一番良いとは限らないと言うことです。

回遊性がある間取りは、動線的に右に行ったり、左から入ったりと、日々生活に変化が発生しそれがコミュニケーションにも繋がり、「心地よさ」に変化すると思われます。これは分譲マンションにおいても何とか作っている間取りはあります。

廊下-洗面-キッチン。ここで回遊性のある間取りは可能です。

その場合システムキッチンは壁側に移動し、対面式キッチンのシンクと離れたり、食器棚を置くスペースがなくなったりする為、長方形であるマンションにおいては必ずしも必要ではありません。

しかし、戸建て住宅の場合分譲マンションを超える優位性に立つ絶対的要素であるため、これは外さない方が良い思われます。

あと、戸建ては「収納」の事は考えなくてもよいです。よっぽど変な間取りでない限り、何もしなくともマンションと比べて比較にならない程しっかり収納スペースはあるはずですから。